2010年9月26日日曜日

Kindle3の感想


最近2010年8月末にイギリスでも販売が始まった第3世代のキンドルを購入しました。買ったのは3G+WiFi版です。今回はレビューを書いてみます。
筐体:
薄くて軽いです。ページ送りと戻しのボタンを誤ってさわってしまう事が多いです。持ち歩きにはケースが必要だと思います。
表示画面:
キンドルは特徴としてe-Inkという独特の方法で画面を表示しています。一見モノクロLCDの親戚かと思ったのですが実物を見ると別物です。表示されている文字の裏に影が出来ることはありません。さわっても滲みません。
携帯ショップにかざってあるモックアップ画面に貼り付けられた写真ようにクリアでドットも細かく目立ちません。
読書目的なら私はカラーLCDよりも向いていると思います。
でもリフレッシュの動作は緩慢です。
私はキンドルのスクリーンセイバーが嫌いです。電源OFF時に好き嫌い如何に関わらず表示される事を含めて嫌いです。
キーボード:
小さいので指の関節が痛くなってきます。またナビゲーションキー部分も小さいため使い心地はよくありません。
日本語は入力できないのでツイッターなどに日本語で記事を書くことはできません。タッチスクリーンではないのですべてをキーで操作しなければなりません。まるで日本の携帯電話のようです。
スピーカー:
結構きれいな音がでます。Text-to-Speechで本を読ませた場合は、アメリカ人の発音で英文を読んでくれます。意外とスムーズに読んでくれます。
何を読むか:
日本語は問題なく表示されます。ファイル名に日本語も使えます。でもAmazonには魅力的な日本語の本はありません。 結局 Wordを変換したファイル、PDF、JPEGのファイルを読むことになりそうです。
当面は以下の目的に使おうと思います。
1.青空文庫の本をダウンロードしてPDF変換して読む。青空キンドルというサイトに行くとやり方が書いてあります。ブックマークレットを使うと驚くほど簡単にPDFの変換とダウンロードができます。
2.マンガ等のページをスキャンした連番のJPEGファイルを一まとめにZIPしたものを読むことが出来ます。この場合、字が小さくて読みにくいです。ファイルサイズが大きいので沢山入れ込むことはできません。
3.日本の英字新聞を読む。有料ですが朝日新聞と毎日新聞が英字で発行されているのでそれを読むのも良いかもしれません。毎日自動で配信されてくるそうですので次回1週間ほど海外に行く機会があったら申し込んでみたいと思います。
当面アマゾンから手に入る英語の本を読む事はなさそうです。英語が苦もなく読めて楽しめる人には良いですが私は日本語が読みたいです。
ブラウザ等については別途述べたいと思います。

Kindle3のブラウザ


今回は第3世代キンドルのブックリーダー以外の機能について書いてみます。
ソフトウェアのバージョンは3.02です。
音楽再生:
キンドルではMP3のファイルを再生できますが曲名が表示されませんしストップと曲送りしか出来ません。何曲入っているのかもわかりません。
ブラウザ:
キンドルをウェブブラウズの目的で購入すべきではないとおもいます。以下に出来ないことを中心に書きます。
WiFiであれ3Gであれ表示速度が遅すぎますし当然モノクロです。
ハイパーリンクもわかりにくいですしポップアップが開けません。例えばTwitterのリンクを開くことができません。
フレームを使っているページにおいて挙動がおかしいです。
ブラウザ内の文字のサイズを変更できません。よってニュースサイト等では文字が小さすぎて読めません。ページ内のズームは出来ます。
開いているページの記事をキンドル内部にセーブして後で読む、いわゆるウェブクリップのような事も出来ません。
たまに長い時間、ブラウザが固まります。
パソコンでマウスを使わずにブラウズすることを考えてみてください。おまけに小さなキーと格闘しなければなりません。操作性はその程度です。
上記のように出来ないことが多すぎるためオマケ程度だと考えた方が良いと思います。
3Gモデルの利点:
そんなキンドルのネット機能で良いことは、3Gモデルの場合、海外100の国と地域で3GもしくはGSMネットワークを使って無料でブラウズできることです。
但し必ずしもすべての地域やキャリアでブラウズできるとは限らないようです。
もしブラウズできない場合は、キャリアを切り替えて試してみる事をお奨めします。まずHOMEからMenuに入り、Settingを選びます。その画面でALTキーを押しながらEQQと押すとネットワーク(キャリア)を選択することが出来ます。
キンドルでネットの使い道:
イギリス国内においてキンドルでブラウズする機会はなさそうです。
でも私は年に一度、家族でアフリカ大陸や南の島のビーチリゾートホテルに行きます。そのような場所では日本の情報を手に入れることが出来ません。ホテルからはインターネットに接続できず、日本の新聞やテレビも見れないので唯一のソースはスマートフォンになります。但しデータ1メガあたり6ポンドもするのであまり見ることが出来ません。こんなときキンドルならばウェブ経由で日本語のニュース、さらに日本の英字新聞を購読しておけば3G経由で自動配達されてくるので便利だと思います。これはWiFiモデルでは不可能です。
結局私のキンドルは僻地への旅行時にブックリーダーとして情報端末として、旅のお供になる予定です。

2010年6月29日火曜日

イギリスでインターネット WiFiで3Gネットワークを使う MiFi E5830


過去に何度か取り上げている話題ですが、日本からイギリスに短期もしくは中期の滞在で来た場合、如何に安くインターネットに繋ぐかが課題になります。
先日私はMiFiと呼ばれるポケットサイズのWiFiを買ったのですがこれが意外と便利で、車の中からでもネットへのアクセスが可能になりました。
Mifi_e5830
(写真はサイズ比較のためにCDロムの上にMiFiを置いてみました。厚さはおおよそ13ミリ程です)
商品の型番はHuawei E5830というモノですが、ThreeのMiFiモバイルWiFiという商品名で売られています。
これは簡単に言うとWiFiの無線LANと3G携帯の電波の間でデータを変換してくれるもので、モバイルWiFi、略してMiFiと呼ばれています。
使い方は簡単で本体側への設定は不要です。予め充電しておいた本体の電源をONにしてWiFiとネットワークのスイッチもONにするだけです。
次にパソコンやiTouchなどでそこから出ているWiFiネットワークを探して接続すれば、インターネットに繋がります。
ウェブのブラウズやメールには最適です。
価格は本体と初回に繋いだ日から30日間有効な1GByteのデータ利用分が入ったSIMが付いていて59ポンド(約8400円)でした。
またデータ利用は10ポンドで1ギガを購入の日から30日間、15ポンドなら3ギガを30日間などと言うように後から追加が出来ます。
動画サイトを見なければ毎月15ポンドで十分なネット環境がそろいます。
ネットワークは3 (Three)と呼ばれるもので田舎に行かなければある程度カバーされています。
これをイギリスで使えばiPadのWiFi機種で3G ネットワークを使ったインターネットの利用が出来る事になります。
良い点は、小さいのでかばんの中などに入れておいて使えること。またPCに囚われずPSPやDS等WiFiが使えるものにて同時に5台まで共用できることです。値段も手ごろだと思います。プリペイドなので予め購入したデータ分を使い切ったら足せばよいため、後から法外な料金を請求されることがありません。
USBでパソコンに繋ぐモノと比較して、3G電波が受信しやすい窓際に本体を置いて使えるので有利。
弱点は、連続使用の場合、電池がおおよそ4時間程しかもたないこと。屋内で使う時は付属のUSB型アダプタ電源を繋いでおくと良い。
USB経由で充電が出来るのですが本体の電源がONの場合はUSBからの電気は通信に使われ充電がされないこと。つまり充電をするためにはUSBを繋いだままで本体をOFFにしておかなければなりません。
似たようなインターネットへのアクセス方法を以前の記事で書きましたが、現在はスターターパック(1ギガバイト分30日間のパケット料金込み)が19ポンドで販売されているので、パソコンのみで使う場合はそちらの方法もお得だと思います。
以下は少し専門的な話ですが:
買ったものはSIMロックされていますがこの機種E5830はSIMアンロックができます。違法かどうかはわかりませんがアンロックすると付属のアクセスポイント設定ソフトにて日本や他社のネットワークに設定したうえで、その国のSIMカードが使えます。ちなみにこの手のモノは日本でも売り出してきておりおおよそ2万円で販売されているようです。でも適切なデータプランに入っていないと高額なパケット請求書が届きそうです。

2010年6月5日土曜日

アメリカのミリタリーウォッチTraser P6500 Type6


以前のページでMarathon社のNavigators MIL-PRF-46374G Type III Class1について書きましたが、最近気が変わってTraserのP 6500 Type 6という時計を購入しました。こちらもMIL-W-46374FというMILスペックに対応しているそうですが、実際に軍隊に官品として納入されてはいないようです。
P65001_2
このP6500は実際に納入されていたstocker yale社のP650というモデルのレプリカでP650と同じ工場で作られているようです。 ちなみに実際に納入されていたというP650には日付窓がついていませんし、細部が若干異なっています。
このP6500を選んだ理由はMarathon社のNavigatorsに比べてコンパクトでスタイリッシュだと思ったからです。
また暗闇では、トリチウム管が光るので時刻を読み取ることが出来ます。これがこの時計の唯一の強みですね。でも敵に見つかるほど明るくはありません。さらにベゼルが12時間でふってあるため海外の時刻を読み取る目的ではとても便利です。(分でベゼルに目盛りがふってあってもダイビングをするわけではないので使い道がみあたりません。)
でも良いところだけではなく、例えば中身のエレメントを調べてみると1000円以下で買える程度の安いのエレメントが入っているようです。そのためスイス時計として過度の期待をしてはいけません。むしろファッション時計と同じカテゴリと考えた方がよさそうです。
帯磁性能にもふれていますが、これだけ安いエレメントとほぼ全体がプラスティックで出来ているのですから、帯磁しないのも当然だと思います。
さらにこのモデルは基本的にLuminox(ルミノックス)の3100と同じ物の様ですが防水性能が異なります。
海外の英文のページによるとLuminoxとTraserは全くおなじモノであり防水性能も変わらないと書いてありますが、そもそもルミノックスが200m防水であることに疑問である事と、さらにAmazone.jpのレビューによると電池交換後に4気圧まで防水性能が保たれていたという事なので、この時計は日常生活防水というところが正解でしょう。
MILスペックは満たしているとの事ですが、はっきり言って値段相応の品質ではないと思います。
時計は持つ喜びが大半を占めますが、買う人は上記の点で割り切ってから買ったほうが良いと思います。

2009年12月25日金曜日

アメリカのミリタリー時計


なんとなくアメリカの軍用腕時計にも興味がわいてきました。
そのうち安いものを一本買おうと思っているのですが今のところMarathon社のNavigators MIL-PRF-46374G Type III Class1という物が気になっています。
Navigators
これはダイバーズウォッチみたいな格好をしていますが、実際は空軍むけのようです。さらに一般のサービス業務に携わる人も使われるようです。
回転ベゼルには「分」ではなく「時」が刻まれていますがこれは別な地域の時間を読み取るために便利なものです。 気になる値段ですが新品がおおよそ140ポンド程で取引されているようです。日本では4万円でヤフオクにて取引されていました。
さてこの時計を調べている間にいくつか気になることがあったので書いて見ます。
* 筺体はプラスティックです。
そのため軽いようですがあまり高級感はないようです。まあ硬質プラスチック様なんです。
* この時計は1つあたり42ドル以下(3900円程)で軍に納入されているものです。
納入書を見てみると一本当たり41.81ドルです。その程度の値段で儲けを出している製品です。決して質感や高級感を求めてはいけません。
* このモデルは1石です。
つまりクォーツとしてみた場合は精巧に作られているものではなく高級なエレメントは使われていません。
* つけて泳ぐことは勧めません。6気圧防水です。
ちなみに同じMIL-PRF-46374シリーズのスペックのモデルでルミノックス社から出ているモデルがあります。こちらは防水20気圧もあり、たぶんMarathon社よりもさらに丈夫なのかもしれません。しかしこれはミリタリーモデルであり正式に納入されているものではないようです。軍の部隊(Unit毎)で導入する事は否定しませんが、Luminox社製はアメリカ空軍の官品とは言えないと思います。ここは想像ですが軍全体として導入するためにはLuminox製はコスト的に合わないのではないかと思います。
このように見てみると軍用時計はそれほどヘビーデューティーではなく結構安物の時計のようです。
まあ軍用時計として正式採用されているものはメジャーなもので、アメリカはMarathon、イギリスはCWC、その他は不明ですが多くの国では今どき時計を官品として配っていないのではないかと思います。

2009年11月28日土曜日

G10を選んだ理由


さて、私がなぜG10を選んだかの理由を書きます。
私は腕時計のコレクションをしているわけではないのですが、動かない腕時計がたまって来ました。ちなみに私は腕時計を普段していません。
自動巻き:
どうもメンテナンスが必要でコストがかかります。私の場合は、めったに使わないものの既に15年ほど前に買ったスイス製クロノグラフ腕時計も本来であればメンテに出されていなければなりません。一日に5秒くらい進みます。
別に1945年物の同メーカー製の腕時計もあるのですが、こちらはメンテをしてもらったにもかかわらず一日に30秒ほど進んでしまうようです。
私にとって自動巻きは持つ楽しみはあるのですが、いかんせんコレクション時計になってしまい実用には耐えません。メンテのコストもかかります。よってこれ以上増やすのは得策ではないと思いました。自動巻きの利点はフォーマルな場所にはめていきたいときにいつでも使うことが出来ることです。つまり私にとっての自動巻き時計はそれなりの時計でなければならないということです。そう簡単に大枚をはたくことはできません。
クォーツ時計:
数本持っているのですが電池が交換されずにほおってあるものが何本もあります。80年代のクォーツは裏蓋を開けて自分で電池を交換することがたやすいのですが、それ以降のものは自分で傷をつけずに裏蓋をあけられないことが難点です。よって時計屋さんに持っていって電池を交換してもらうことになります。
さて今回カジュアル目的で買ったG10ですが、裏蓋に電池蓋がついています。コインなどでひねれば簡単に自分で電池の交換が出来ます。つまりランニングコストが極めて安くつきます。そのためあえて電池蓋のあるモデルを選びました。
このように自分で電池が交換できるクォーツのよいところは、仮に30年近く前のモデルでも自分で電池さえ入れなおせば実用になるところです。この先もボタン電池さえ手に入れば20年後でもしっかり実用に耐える動作をすると思います。
さてアクリル風防のG10は何年もつでしょうか?

イギリスのミリタリーウォッチのスペック


イギリス軍用腕時計の仕様書を探してみたら見つかりました。
リンク先は、イギリスのMoD、つまりイギリス防衛省です。
http://www.dstan.mod.uk/data/66/004/04000400.pdf
これは「電池式ジェネラルサービス向け腕時計」、つまりクォーツ式G10の仕様書のようです。
電池蓋の装着や裏蓋の刻印のサイズも指定されています。
CWCは風防がアクリルでこれはG10の要求だということですが、仕様書に書いてあるわけではないようですし、実際に他社ではミネラルガラスのG10を軍に納めていた実績があるので、軽さや丈夫さの要求を満たす目的でCWCが独自にアクリルを選択しているのかもしれません。
私がCWCから購入したG10ですが、予想したとおり裏蓋の刻印が官給品と異なります。具体的には、品番は同じですがCから始まり数字4桁のシリアル番号形態で年号がありません。さらにWaterResistant5ATMと書いてあります。私の場合は同じスペックのものが欲しかったので構わないのですが本当のマニアは満足できないかもしれません。